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『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』朗読付き電子書籍 リリース記念インタビュー 著者・バイク川崎バイクが語る「男ブラ・浦井くんの“モテ声”と“コント師の勘”は、さすがでした!

どんなフレーズでも略して「BKB!!」にするハイテンションなギャグで人気のピン芸人・バイク川崎バイク(以下、BKB)が、コロナ禍の自粛期間中に書きためた45作に書き下ろし5作を加え、2020年8月に上梓した短編小説集『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』(ヨシモトブックス)。普段のポップな芸風から一変、日常のひとこまを繊細な視線と優しさで切り取り、ほろりと泣かせるハイセンスなBKBのショートショートの世界は、発売以来、お笑いファン以外にも広く読者を増やし、今もロングセラーを続けている。
そんな『電話をしてるふり』から本人がセレクトした珠玉の15作品を、「キングオブコント2021」準優勝、「M-1グランプリ2022」ファイナリストの人気コンビ・男性ブランコの浦井のりひろが朗読! 小説朗読は初めてという浦井語りの聴きどころ、改めて味わってほしい本作の魅力を、BKB本人が語ってくれた。

『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり【男性ブランコ・浦井のりひろ 朗読音声付き】』

――今回「Reader Store」で『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』を朗読付き電子書籍として発売すると聞いて、どう思われましたか?

BKB そうですね……実は、これまでも『電話をしてるふり』の朗読はしてもらっていたんです。芸人、声優さん、アナウンサーさん、学生さん、個人の方など、いろんな形で。そのたびに、このエンタメが多様化する時代で、まったく知らなかった人に作品が届く嬉しさがありました。なので今回もまた「少しでも知ってもらえるかも!」「届けられるかも!」と胸が踊りましたね。

――特に本作は、単に朗読音声を聞くだけでなく、小説を目で読みながら同時に耳で朗読を楽しんでもらえるのが魅力です。その朗読者のキャスティングもBKBさんのご提案だったそうですね。男性ブランコの浦井のりひろさんを指名された理由は?

BKB 浦井くんの声は、嫉妬するほどいい声なんですよ。こういう朗読の機会があれば、ぜひ読んでほしい芸人の一人でした。もちろん彼とは以前から付き合いがあり、好きな後輩の一人なんですけど、そういう関係性がなかったとしても、頼んでいたかもしれないですよ。

――何か、浦井さんの“いい声”を堪能した出来事があったんですか?

BKB ありましたね~。もともといい声だなと思ってましたけど、それが確信に変わったのは、去年の僕の単独ライブ(BKBソロライブンブン2022cc「バイク単独バイク~秒針を君がとめた某日~」)。浦井くんにゲストに出てもらったんですが、紳士的なキャラの声色が素敵すぎたんですよ。
あれはモテる声でしたね! ほんとにモテてるかどうかは知らないですが(笑)、引き受けてくれて感謝ですね。


――実際に浦井さんの朗読収録に立ち合われて、いかがでした?

BKB まず1作、2作じゃなく、15作品もしっかり朗読してもらったのは初めてでした。かなりの長丁場だったんですけど、その中で、気持ちを込めて集中を切らさず、よくやってのけてくれたなと思います。さすがでしたね。
普通は、後半になると疲れてきて、噛んだり、抑揚がゆるくなるようなイメージがあるんですが、浦井くんは逆で。後半になると、さらに気持ちが入っていってましたね。ディレクターさんも後半になるほど、録り直すことがなくなっていってたように見えました。

――収録中はブースのこちらでも、感嘆の声が挙がっていました。

BKB いや本当に。浦井くんが培ってきたコント師としての勘がいいのか、「そんなふうに読んでほしい!」という思いを、ほぼ体現してくれてました。
生で、自分の話に、さらに命が吹き込まれていくような、贅沢な時間でしたね。

――浦井さんが朗読されたことで、BKBさんが“さらに魅力が増したな”と印象に残った作品はどれでしたか?

BKB ほんと、全部が魅力マシマシなんですけど……例えばそうですね、「花言葉」なんかは、“THE浦井くん”な優しく儚い口調が、完璧だったなと思います。「ジャージ」は男性の悲哀が素晴らしく、「男は着替えなければならなかった」という同じセリフが、前半とラスト後半に出てくるんですけど、同じセリフでも意味が違って聞こえるところに注目してほしいですね。
「キャバクラなんて二度と」のサラリーマンが「マンモスうれPだよ~」とハメをはずしてしまうところからの、普通のト書き文章にいくところも鮮やか。表題作の「電話をしてるふり」はメインの語りが女性ベースなんですけど、そこもお見事で。自分で、また感動してしまいました(笑)。
「歌が聴こえる」に終始流れるサスペンス感も良かった。
個人的に一番好きだったのは「Secret exchange」の男女の会話劇です。
声の変え方が、映画の吹き替え音声を聞いているようで、実に秀逸でした。


――収録後、浦井さんとはどんなお話をされましたか?

BKB 浦井くんいわく、「声がいいと言ってもらうことも増えましたが、こんなにしっかり使ってもらったのは初めて。朗読も初めて。ありがたいです」と言ってくれました。あと、本の中で読んでいなかった話ももちろん多かったようで、「お話、おもしろいですね~」と冷静に言ってくれましたね(笑)。

――皆さんにも、『電話をしてるふり』という本の面白さと、浦井さんの秀逸な声の表現をこの機会にぜひじっくり味わっていただきたいです。そして、読書家からもBKBさんのショートショートは高い評価を受けていますが、これから執筆してみたいテーマ、作家としてチャレンジしてみたいことは何ですか?

BKB ありがたいことに、この本をきっかけに、ショートショート小説系の執筆依頼も定期的に頂けるようになりました。それらを一つ一つ、しっかりと続けていきながら、新作もおろしていきつつ。近々、中編小説も書いていきたいですね!

――中編小説にも挑戦される! どんな内容になるか、めちゃめちゃ楽しみですね。

BKB ただ……テーマは決めあぐねていますので、何かください!(笑) とはいえ、根底のピン芸人の活動もおろそかにはしたくなくて。「ブンブン言ってる人がこんなの書くのか!」「こんなの書いてる人がブンブン言ってるのか!」という、ギャップ芸人を貫いていきたいです(笑)。

――既に本書をお読みで、浦井さんの朗読で新たな魅力に気づいてくださる方も、ここで初めてBKBさんのショートショートの魅力に触れる方も多いことと思います。読者の皆さんに、改めてメッセージをいただけますか?

BKB この本のことを知ってくれていた方には……変な言い方ですけど、“よく知っている昔話を、何度も読んでもらう子ども”のように、楽しんでもらえると思います。それくらい浦井くんがいい声だし、手前味噌かも知れないですけど、ちょうどよく楽しめるストーリーだと思います。まだ知らなかった方には、こんなにエンタメが飽和してる時代に、この本が届いてくれたことに感謝します。寝る前、通勤中、料理を作りながら、お風呂で……と、音楽のように寄り添える作品となりますように!
バリ、聞いてください、爆読してください! BKBヒィィィィア!!!

インタビュー・文 阿部美香
 写真 note編集部

プロフィール
(写真・右)バイク川崎バイク(BKB)
1979年12月17日生まれ、兵庫県出身。NSC大阪校26期生。
2007年からピン芸人として活躍。同期は、かまいたち、和牛など。
「 R-1グランプリ2014」決勝進出。
著書『電話をしてるふり』の表題作が後に『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)にて実写化。

(写真・左)浦井のりひろ(男性ブランコ)
1987年12月3日生まれ。京都府出身。 NSC大阪校33期。
2011年、平井まさあきと男性ブランコを結成しコンビで活動している。
「キングオブコント2021」準優勝、「M-1グランプリ2022」4位。
趣味はガンプラ作り、映画鑑賞。特技はアカペラ(ベース)、卓球。

■商品概要
『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり【男性ブランコ・浦井のりひろ 朗読音声付き】』
 
<配信開始日>
2023年8月19日(土)12:00~
 
朗読作品:花言葉/間違える女/ヒーロー/歌が聴こえる/電話をしてるふり/井戸端会議/キャバクラなんて二度と/能力/いつも悪いな/ジャージ/爆弾処理はお得意ですか?/言ってみたいセリフ/噂話の隣に…/Secret exchange/満月も見えない、昼下がりの出来事(全15作品)
音声収録時間:約92分
特典:メイキングカット・オフショットページを追加収録
価格:1,210円(税込)
発行:ヨシモトブックス
発売:ワニブックス
 

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