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「ヤンジャン」45周年フェア開催記念!日本で一番売れてるヤング青年誌「週刊ヤングジャンプ」編集長・増澤吉和さんスペシャルインタビュー

『キングダム』『【推しの子】』『テラフォーマーズ』『ダイヤモンドの功罪』などの数々のメガヒット作品を生みだし続ける「週刊ヤングジャンプ」。そんな「ヤンジャン」の創刊45周年を記念して、Reader Storeではまとめ買いで使える40%OFFクーポンをはじめ、おすすめ作品のピックアップや直筆イラスト色紙のプレゼントなどお祝い企画盛りだくさんの「ヤングジャンプフェア」を開催中です。
その目玉企画の一つとして今回、ヤングジャンプ編集長・増澤吉和さんのスペシャルインタビューが実現! 日本で一番売れてる青年誌の「ヤンジャン」は、なぜこれほどのヒット作が生み出されるのか? その秘密に迫る増澤編集長の貴重なインタビューをぜひお楽しみください!

■お前は毎日いろんな人に会っておもしろい話を聞いてこい

――まずは増澤さんの編集者としての歩みを教えてください。

増澤 97年の入社以来ずっと青年マンガの編集人生です。最初の配属が「スーパージャンプ」(現在の「グランドジャンプ」の前身)編集部で14年ほどいました。その後新雑誌「ジャンプ改」の創刊や「少年ジャンプ+」の前身アプリ「ジャンプLIVE」の立ち上げに携わったのち「週刊ヤングジャンプ」(※以下ヤンジャン)編集部へ。「グランドジャンプ」(※以下グラジャン)を経て2021年から再びヤンジャンという経緯です。

――もともとマンガの仕事をしたいと考えていたんですか。

増澤 実はそうじゃなくて。「週刊プレイボーイ」などの取材誌を志望していたんですが、僕が入社した年はまさに「週刊少年ジャンプ」が「週刊少年マガジン」に部数を抜かれた年だったんです。社内にその危機感もあったのか、新人社員は軒並みマンガ編集部に配属されました。もちろんジャンプ黄金期の読者でしたし、普通にマンガは読んできたんですが、周りは本物のマンガ好きばかり。最初は「やっていけるのかな……」と少し不安でした。そんな配属されてすぐの僕に、当時の編集長が「取材費だ」と言って5万円くれたんですよ。「今日中に使ってこい。何に使ってもいいから」と。

――えっ。いい会社ですね(笑)。

増澤 僕も「え??」と思いましたが、「今日中」に使わないといけないので迷っている暇はありません。何しろ編集長命令ですから(笑)。急遽、学生時代のいろんな業界に就職した友人たちを捕まえて焼肉をご馳走しました。本当にこんな使い方して怒られないのか心配になりながら、翌日編集長に報告したんです。前日聞いて興味深かったそれぞれの業界話も交えながら。そうしたら「お前の仕事、これから毎晩それ!」と言われたんです。つまり、作家はずっと家にいて原稿を描かなきゃいけないんだから、その時間お前は毎日いろんな人に会っておもしろい話を聞いてこい、それを作家に伝えろ、と。「ああ、それだったらできるかも」と思いました。いやむしろ得意だなと(笑)。そんな生活を続けて今に至ります。

――それはもう、天職ですね。

増澤 いろんな会社の編集者が集うバーにも毎晩のように行って、朝までいました。そこにいれば他社の編集者はもちろん、彼らが連れてくる作家たちとも知り合える。話が盛り上がれば他社の作家さんと仕事のチャンスも生まれます。仕事の繋がりは、夜の街でできていきましたね。今だとそんなふうに身体も時間もお金も使わなくても代わりにSNSがありますが。

――新しく出会った方への仕事の依頼のコツは何かあるんでしょうか?

増澤 ちょうど最近も編集部で、新入社員の原稿依頼メールを添削する教習をしていたんですが、もちろんそれ自体は有意義な時間ではあるんですけど、当時僕自身は早い方が勝ちだと思っていましたね。人気作家の前にはいろんな編集者がどんどん列を作っちゃうんだから、依頼メールの文面を整えている時間があったら、多少拙くても一日でも早く、極端に言えば1分1秒でも早く連絡した方が仕事をしてもらえる可能性が高いと思ってました。そうやって一人でも多く、10人より20人、20人より30人に連絡してアポを取らせていただいてお会いして……、それでも原稿を描いていただけるのはその中のごく一部なのですから、その「分母」を増やすスピードを重視していたんでしょうね。会ってもらえればなんとかなると思っていた若さゆえの勢いと甘さもあったのかもしれません(笑)。

■「今読みたいものがある」というメジャー誌的感覚はものすごく大事だと思っています。

――「ヤンジャン」は今年創刊45周年。おめでとうございます。改めて編集長からみた「ヤンジャン」について教えてください。

増澤 まず読者層が『【推しの子】』のように作品によっては小学生からいますしメイン層の大人までと広く、もちろん男性が中心にはなりますが女性にもファンが多い作品もたくさんあり、またグラビアも量、質ともに充実していると思います。ヤング青年誌ナンバーワンという部数的な意味でだけではなく、誰が読んでも楽しめるエンタメ誌だと。漫画の内容も、ファンタジーが多い少年誌と比べてもバラエティ豊富で、360度全方位で「今読みたいものがある」というメジャー誌的感覚はものすごく大事だと思っています。最近の傾向としてはややスポーツ漫画が増えていると言えますが、それも「誰でも楽しめる作品」というスタッフの意識の延長線上にある結果かなと思います。

――確かに「ヤングジャンプ」では、スポーツ、特にその中でも野球マンガだけでも『BUNGO―ブンゴ―』『4軍くん(仮)』『ダイヤモンドの功罪』と3本連載中ですよね。

増澤 野球が重なったのはたまたまですが、まあそれぞれまったく違う作品性というのもありますね。ただネタやジャンルかぶりについては、僕自身は全く気にしていません。面白かったらもちろんやろう、と。昔は少年漫画誌には野球漫画が3本くらい平気で載っていましたし、「グラジャン」編集長時代は増刊での連載も入れると医療マンガを5本やってた時期もありました。理由は「すぐドラマ化できるから」(笑)。その経験もあって、『ダイヤモンドの功罪』の平井大橋さんから連載前に「自分も野球マンガが描きたいんですが、、」と相談があった時も迷わず「もちろんいいですよ」って言ったんです。その後連載会議でネームがまわってきたらめちゃくちゃおもしろくて、あの時「野球マンガでいい」って言って本当によかったと思いました(笑)。

――平井大橋さんもそうですが、新人作家さんの新連載も多い気がしますが。

増澤 そうですね。新連載の半分は新人で始めたいくらいには思っています、理想としては。考えてみれば『キングダム』や『東京喰種トーキョーグール』だってデビュー連載でしたしね。だからまだ読切しか載っていないくらいの新人作家たちにも結構会ってますね。何人か集めてみんなでご飯に行ったり。次の読切のネームに詰まっているみたいな人には「連載ネーム切ってみれば?」と言ってます。結局「連載」に耐えうるキャラクターが生まれるかどうかにかかっていますから。あとやはり若い、体力があるうちは皆一度は週刊連載を経験したほうがいいと思っています。原稿を載せた分だけ、読者に読んでもらった分だけ成長もできますしね。

■モットーは極端に言えば「売るまでやめない」です(笑)

――「週刊」のおもしろさはどのあたりにありますか?

増澤 ライブ感ですかね。僕は月刊誌や隔週誌も経験していますが、その時は毎話のネームを上司がチェックして、時にはボツや修正が入って……、それはそれで作品のレベルが保たれたり勉強にもなったのですが、週刊誌はそんなことしていたら〆切に間に合いません。なので連載会議でOKを出したら、その後基本的には僕は一度もネーム段階を見ることなく連載が続きます。つまり作家と担当、「たった二人」が面白いと信じた物語が載り続けるんです。そんなエンタメって週刊連載のマンガ以外そうないのかなと。

――その勢いは読者の側も受け取りますよね。そうした場所での編集長の仕事とはどのようなものなんでしょうか。

増澤 世の中にたくさんいる編集長それぞれにスタイルはあるのでしょうが、僕の意識ではひとことで言うと営業部長でしょうか。読者と雑誌、作品をあらゆる手を尽くして繋ぎたいと思っています。担当や作家と「共犯者」になって、たとえ多少アンケートがイマイチでも仕掛けるタイミング、作戦を練ってあきらめ悪く粘りたいな、と(笑)。

いまはWEBのPV数等でその作品の反響を即座に計れてしまうので、早めに別作品に切り替えようと思えば判断はしやすい状況なのですが、その点僕は「逆」を行っているかもしれませんね。構想がもともと短い作品は別として、5~6巻は続けています。その間になんとか火をつけようとあの手この手でやっている感じです。もちろんそれには、いろんな企画が挙がってくる中でどの作品をスタートさせるかというジャッジがとても重要になってくるのは言うまでもありませんが。土田世紀さんの名作『編集王』じゃありませんが、その中で自分が「面白い」と惚れ込んで始めておいて、アンケートや反響の初速が悪いからすぐ終わらせるというのは仕事の放棄な気がして。だからモットーは極端に言えば「売るまでやめない」です(笑)

――連載ラインナップにかける熱い思いが伝わってきます。「ヤンジャン」の今後の見どころも教えていただけますか?

増澤 直近ではビッグタイトルの数年ぶりの新刊が連続で発売になります! 7月に貴家悠さん原作・橘賢一さん作画『テラフォーマーズ』23巻、8月に井上雄彦さん『リアル』16巻です。特に『テラフォーマーズ』は大分長い間お待たせしてしまいましたが、今年約5年ぶりに連載を再開しました。実は今展開中の地球編は、本当はここから物語を始めたかったくらい描きたかった話だそうで、「これからが本番ですよ」と先生方も仰っていますので、ご期待いただけたら。

またこの夏以降、新連載も続々予定しておりますし、今年は創刊45周年ということで様々な企業とコラボした商品や企画も展開していきます。グラビアも45周年ならではの、過去何度もヤングジャンプに出ていただいた方々のカムバック企画があったり、まだ詳しくお話できない企画がいろいろ控えています。ぜひ注目していてください! あ、こちらも45周年を記念して創設した、賞金総額1億円・全45部門の「集英社青年漫画新人大賞」の応募締め切りも7月末と迫っております。ぜひご応募お待ちしております!(笑)

――本当にいろいろ楽しみです! 最後に、そんな増澤さんが人生で一番思い入れがあるマンガを教えてください。

増澤 ちばあきおさんの『キャプテン』『プレイボール』ですね。コミックスが父親の本棚にあって子供の頃一番繰り返して読んだ作品です。グランドジャンプでは同じくちば漫画の大ファンだったコージィ城倉さんに続編『キャプテン2』『プレイボール2』を描いてもらいました。

インタビュー・文 横井周子


▼増澤編集長の人生で一番思い入れの強いマンガはこちら!

『キャプテン』ちばあきお著/サード・ライン

墨谷二中に転校してきた谷口タカオは、野球部の練習に参加しようと、以前いた学校のユニフォームに着替える。それが野球の名門・青葉学院のユニフォームだと気付いた野球部員達は、谷口を凄い大物選手だと思い込んでしまう。しかし青葉学院にいた頃の谷口は、パッとしない二軍の補欠選手で……!?

『プレイボール』ちばあきお著/サード・ライン

中学野球の名作「キャプテン」の続編にあたる、初代キャプテン・谷口タカオ(たにぐち・たかお)の高校進学後の活躍を描いた熱血スポーツコミック。墨谷高校に入学した谷口は、中学時代に全国大会で優勝を果たした試合での負傷が原因でボールが投げられなくなり、墨高野球部の練習をただ眺める日々を送っていた。そんなある日、サッカー部キャプテン・相木(あいき)に勧誘された谷口は、サッカー部へと入部するのだが……!?

▼プロフィール

増澤吉和(ますざわ・よしかず) 
1997年(株)集英社入社。週刊ヤングジャンプ副編集長、グランドジャンプ副編集長を経て、2017年グランドジャンプ編集長に就任。2021年より週刊ヤングジャンプ編集長。担当してきた作家は本宮ひろ志、三田紀房、コージィ城倉、二ノ宮知子、東村アキコ、山下和美、横槍メンゴなど多数。プロフィールイラストは『世田谷イチ古い洋館の家主になる(山下和美著)の巻末おまけマンガより。

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