声優・榊原優希が太宰治の名作を男女4人演じ分けて熱演!! 「YOMIBITO MAGAZINE」からインタビュー&貴重オフショットを公開!
Reader Storeが独占配信する毎号一人の声優をピックアップするボイス&フォトマガジン「YOMIBITO MAGAZINE<ヨミビト マガジン>」のVOL.5が配信開始。
今回は、10月より放送中のTVアニメ『デッドマウント・デスプレイ』で主人公・四乃山ポルカ役を担当するなど、大活躍中の声優・榊原優希が登場!!
本誌に収録された太宰の短編小説「律子と貞子」でなんと一人で男女4人を演じ分けた熱演は必聴です…!
好評発売中の本誌よりロングインタビューの一部を、本誌未公開の貴重なオフショットと一緒にお届けします。
榊原優希インタビュー
太宰治がこんな作品を? 『律子と貞子』は永遠の命題
――文学作品の朗読とグラビア、インタビューを一度に楽しんでいただけるデジタルマガジン「YOMIBITO MAGAZINE」。今回は、榊原さんに太宰治の『律子と貞子』をリーディングしていただきました。太宰治作品には、どんな印象をお持ちでしたか?
榊原 マンガにもなっているので、名作文学の中では親しみはあるほうだと思います。めちゃめちゃたくさん読んだことがあるわけではなくて、世間一般の人が軽く触れたぐらいのレベルですが。ただ『走れメロス』に関しては、個人的に思い入れがあるんですよ。僕が声優になるきっかけが、小学校の時、国語の音読の宿題で……。
――宿題に音読が? 珍しいですね。
榊原 ……あれ? それって僕の地元だけなんですかね?(笑) 別に授業でみんなの前で音読を発表するというわけではなく、漢字の書き取りの練習と同じ感じで、家で毎日、作品の音読をやってこいという。授業の進行に合わせて、より理解度を高めるためだったと思うんですけど、“気持ちを込めて読めたか”、“大きな声で読めたか”とか3つくらいの評価項目があって、それができたら丸をつけて先生に提出する……みたいな宿題があったんです。その宿題をうちの母が見てくれていて。
――もっとこう読むといいと、厳しく指導されたというエピソードがあったそうですが。
榊原 そうなんですよ(笑)。厳しいんですけど、ちゃんと心情を込めて読めた時とか、出来が良かったらしっかり褒めてもらえた。なんて言うんだろう……ほんとに声優の現場で音響監督さんからディレクションをいただくようなやり取りが、家でありまして(苦笑)。その褒めてもらえた宿題の中に『走れメロス』があって、その思い出があったからこそ、声優という道に進めた。だから、なおさら覚えてるんです。
――お母さまも文学好きだったんですかね?
榊原 いや、どうなんですかね。でもうっすら記憶にあるんですけど、母も昔、演劇部に入っていたとか、そういう話を前に聞いた気がするんです。
――だから熱が入ったのかもしれないですね。
榊原 そうかもしれないですね。しかもその宿題って、勝手に自分で丸をつけてやったフリもできちゃうんですよ。僕が住んでいたところはタヌキが出たりサルが出たり、イノシシを避けて歩いたり、けっこうな自然の中なんです。小学校も5年生までは全校生徒が12人しかいなかったくらいの土地で、母も働いていたから通勤には2時間くらいかかっていたハズで。それなのに、いくら疲れてても僕のために時間をつくって、音読につきあってくれた。よくやってくれてたなと、感謝してます。
――今回、朗読していただいた『律子と貞子』については、どう思いました?
榊原 意外でしたね。『走れメロス』や有名な『人間失格』とも違ってて、こういう作品も書いてたんだという発見がありました。内容も面白い命題ですし。
――主人公の三浦憲治がこの小説の語り部に、律子と貞子、性格も全く違う二人の姉妹のどちらかと結婚しようと思うけど……と話しに来たところから、物語が始まりますね。
榊原 そうなんですよね。要は結婚相談という体なんですけど、なんだろうな……空気感としては、今の時代に照らし合わせると、結構、井戸端会議みたいで。気になる女の子が二人いるけど、どっちが好きなんだろう?って友達に話している感じ。小学生や中学生の時に、そういう話ってするじゃないですか。そういう意味だと、誰もが一度は通ったことがあるような、迷ったことがあるようなお話だなと思いましたね。あの子とあの子、どっち派?みたいな(笑)。
※「YOMIBITO MAGAZINE VOL.5」より一部抜粋
好評発売中のVOL.5には榊原優希のロングインタビューのほか、名作文学『律子と貞子』(著:太宰治)の朗読音声や、スタジオでの撮り下ろし写真、動画メッセージも収録。意外な愛読書が明かされるインタビューは必読! ぜひチェックしてみてください。